近年ではAR(拡張現実)と同様に、VR(仮想現実)もゲーム業界のみならず、建築・土木や製造業、医療現場などにおいてもそのシステムの活用が期待されています。
例えば建築・土木の業界では、現場において危険な箇所や危険な作業がないかどうかをVRとそのシステムを活用することで、事前に確認することができ非常に役立っています。
VRを体験できる装置を装着した作業確認者の視点の移動は自由自在なので、上空から見下ろすことが出来たり、組まれている足場の下から内部の詳細をチェックすることが出来たり、作業現場の中を色々な角度で見回す事が出来るのです。
製造業では、自動車産業大手のホンダが実作業のトレーニングとしてVRを活用しています。
自動車の組み立て部門に関しては、作業員全員でいっぺんに作業を確認しなければならないため、大画面モニターによるVRを使用しているようです。
作業員の一人が、位置情報センサ付きのグラスを着用し大画面モニターにおける3Dシステムで作業を行います。
その作業の様子を他の作業員も3Dグラスをかけることによって、その作業の立体感を共有することができるのです。
また、車両検査部門では、車本体の下側での作業を再現しトレーニングを行っています。
このシステムを活用することで、作業のスペース再現だけでなく、極めて現実世界に近い状態での実作業トレーニングをすることできます。
トレーニングと言えば、オリンピックを目指す選手やプロスポーツ選手などもVRのシステムを活用しています。
VR(仮想現実)は、医療の分野でも活躍しています。
今まで十分に活用されることが少なかったCTやMRIの画像を3D化し、VR(仮想現実)空間の中で表示させます。
そうすることで、平面画像でしか判断することができなかった患者の状態を、より直感的に把握することができるようになりました。
スタンフォード大学では、心臓をVR(仮装現実)とそれに付随するシステムにより心臓を3D映像化し、色々な向きから観察したり、心臓を部位ごとに分けて見たりすることが出来ます。
そうすることで、心臓内部の細かい部位や、その構造まで詳しく見ることができ、研修医や学生はより高いレベルで心臓について学ぶことができ、、また医者もより正確に、よりわかりやすく病状の説明を患者にすることが出来るようになりました。