月: 2020年10月

2018年FIFAワールドカップに見る、デジタルツイン技術の導入

5Gや、AIの技術が発達し、IoTの活用やデジタルトランスフォーメーションの流れの中で『デジタルツイン』という言葉を耳にすることが多くなってきています。

デジタルツインとは、何でしょうか?

リアルタイムで、現実世界に存在する製品や設備のデータや環境データ、オペレーションデータなどを収集し、そのデータを仮想世界に送り、仮装空間上に現実世界と同じ状態・状況を再構築します。その仮想世界の状況を用いて、高度なシミュレーションを行う概念の事をデジタルツインと言います。

 

デジタルツインを用いることによって、現実世界に存在する商品や製品のモニタリング・シミュレーションを仮想世界で行うことができます。

仮装空間で行ったシミュレーションの結果を用いて、現実世界に存在する商品や製品の未来の故障時期や製品変化を予測することができます。

2018年6~7月に開催された『2018 FIFAワールドカップロシア大会(サッカー)』では、実は”初めてのデジタル化されたワールドカップ”と呼ばれていました。

様々なデジタル技術が導入され、ゴール判定に用いられる電子補助システムの総称である『ゴールラインテクノロジー』や『VAR(ビデオアシスタントレフェリー)』などは、日常でも耳にする機会が増えたかと思います。

その2018年のロシアワールドカップの中で、デジタルツインを分かりやすく示した技術としては電子パフォーマンス&トラッキングシステム (Electronic Performance and Tracking Systems:EPTS)がありました。

電子パフォーマンス&トラッキングシステムは、FIFAが2018年のワールドカップに出場した全チームに提供を行ったシステムになります。

選手がボールを所持している、いないにかかわらず選手の動作記録し、データ分析をできるようにしたシステムです。

リアルタイムでデータを取り込み、データの”見える化”を行えるようにしました。

ワールドカップの大会中では、薄型電子端末をチームの監督と、試合全体を見ることが出来る場所にいるデータの分析担当者が所持し、采配の指標や意見などを送り合ったという事です。

カメラから選手の位置情報を特定し、小型のデバイスを選手が取り付けることで、そのデバイスから選手の心拍数や疲労度の情報を取得することもでき、そのデータを用いることで選手交代などの采配を監督が振るうことができるのです。

 

千葉県でも、デジタルツインに関わる基調講演が盛んにおこなわれています。

(参考 IoT活用セミナー『中小企業におけるIoT導入』開催のお知らせ)

※現在は終了しています

2018年FIFAワールドカップロシア大会は、デジタルツインの技術を用いて、現実世界の出来事を、仮想空間に転送しデータ収集や分析を行った好事例と言えます。

 

※千葉県八千代市に本社を置くサンファームネットは、スリランカにおいて優秀な開発チームを持ち、システム開発(ソフトウェア開発)、ネットワーク構築、販売・商品・顧客管理、ホームページ作成、データエントリーシステム、各種システム導入支援など、お客様にとって最適なITを用いた解決策をご提案することができます。

ゼロトラストネットワークシステムの成り立ち

昨今まで、企業内においてのセキュリティ対策はファイアウォールやIPS・IDSなどでネットワークの不正侵入を検知・防御し、外部からの攻撃を防ぐセキュリティが主流でした。

しかしながら企業のクラウドサービスの利用が増加し、外部のサーバからデータのやりとりを行う機会も増えたので、今までのセキュリティ対策では不十分であるというのが実情です。

そうした中で、新しいセキュリティモデルとして誕生したのがゼロトラスト、もしくはゼロトラストネットワークです。

 

ゼロトラストネットワークは、アメリカのフォレスターリサーチ社の調査員キンダーバーグ氏によって考えられた、新時代ネットワークセキュリティのことです。

これまでの『社内は安全』という前提でネットワークの境界を守護するセキュリティ対策の一つではなく、『全てを信頼しない(これをゼロトラストと言います)』ということを指針として

通信アクセスをすべて見える化し、チェックすること

すべての記録(ログ)を保存すること

認可を与えるユーザーを必要最低限に留めること

…といったアプローチをするネットワークセキュリティです。

従来のセキュリティ対策を万全に行っていたのにもかかわらず、重大なセキュリティ侵害や機密情報の漏洩が多発した事を背景にして、ゼロトラストネットワークの考え方が生まれました。

 

ゼロトラストネットワークでは、全てを信頼しないことから始まります。

例えば、外からアクセスを試みたデバイスに対して、アクセスの度にセキュリティレベルをチェックします。

その後、安全性が確認できたデバイスだけをアクセス許可にします。

安全性の確認は

①ネットワークにアクセスしてきたデバイスにインストールされているセキュリティ対策ソフトが、最新のものであるか

②ネットワークにアクセスしてきたデバイスそのものが、企業内で登録された端末であるか

③ネットワークにアクセスしてきたデバイスがウイルスに感染していないか

④すでに外部に漏洩しているIDを使用していないかどうか

…例えば、以上のような項目をアクセスがある度に毎回自動で確認するプログラムを用いてチェックします。

ゼロトラストネットワークを導入することで、ファイアウォールやセキュリティ対策ソフトを導入するだけでは不正アクセスを防げない情報や資源を防御可能になる点が最大のメリットと言えます。

※千葉県八千代市に本社を置くサンファームネットは、スリランカにおいて優秀な開発チームを持ち、システム開発(ソフトウェア開発)、ネットワーク構築、販売・商品・顧客管理、ホームページ作成、データエントリーシステム、各種システム導入支援など、お客様にとって最適なITを用いた解決策をご提案することができます。

IoTを活用した、SmaGoの設置(渋谷区表参道、千葉県市川市)

先日、東京都渋谷区の表参道沿いで、IoT(internet of things)を活用したゴミ箱である『SmaGo(スマゴ)』の運用が開始されました。

ゴミ箱は米BigBelly Solar社が開発したもので、ITソリューションプロバイダの日本システムウエアが日本における独占的販売代理店契約を締結・販売開始から6年弱経過して今回の表参道での運用開始となりました。

 

米BigBelly Solar社が開発した『BigBelly Solar』は、ゴミ箱内に捨てられたゴミの蓄積量を、3G回線を通してクラウド上でリアルタイムに把握できるゴミ箱と、個々のゴミ箱の情報をリアルタイムで集計し、最も適したゴミ収集ルートを導き出す管理システムで構成されています。

このシステムが搭載されたゴミ箱の運用をすることで、ゴミが溜まっているゴミ箱だけを選んで収集を行う計画を立案できるだけでなく、ゴミ収集の際のルートを最適化し、作業時間の短縮や燃料代のコスト削減することができます。

さらに、実際にゴミ収集を行う作業員の人員配置や、ゴミ箱設置場所の判断材料として活用することが出来ます。

各々のゴミ箱の状況は、現場作業員がスマートフォンやタブレット端末で確認をすることができるので、離れた場所からゴミの蓄積状況を確認することも可能となっています。

アメリカではフィラデルフィア市、ボストン市といった自治体や、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学、ジョージア大学…などの教育機関において広く導入されています。

 

ゴミ箱には2種類の商品があり、ゴミ箱内部のゴミの蓄積状況を知らせる『Smart Belly(スマートベリー)』と、さらに上記の機能に加え、投入されたゴミを自動的に圧縮する『BigBelly(ビッグベリー)』の2タイプがあり、いずれのタイプも箱上部に搭載したソーラーパネルで発電・蓄電を行うため、環境にやさしい設計となっています。

渋谷区表参道は、国内外から多くの来訪者がある街と知られていますが、訪日インバウンド客の増加と共に、5年ほど前からゴミの量も増えていったそうです。

また、近年はタピオカ入りドリンクのブームによって、プラスチック容器のポイ捨てだけでなく、ゴミ箱に入りきらずに溢れてしまうといった深刻なゴミ問題に頭を悩ませていました。

IoTを用いて、ゴミを自動的にゴミ箱内で圧縮することにより、通常よりも約6倍ものゴミを収納できるようになったそうです。

千葉県では、千葉県市川市が2020年度に、ICT(情報通信技術)を活用した生ごみの回収箱の実証実験を市内で行うと発表しています。

市民が廃棄した生ごみが、一定量に到達するとセンサーが感知し、通信システムを使って市や業者に通知され、回収に向かうという仕組みです。

(参考 市川市「生ごみ いつでも捨てられる」ICT情報通信技術活用の回収実験)

これも、渋谷区表参道と同様なSmaGoの例であり、ITの技術やシステムを用いて、既存の問題が解決されるという好事例だと思います。

 

※千葉県八千代市に本社を置くサンファームネットは、スリランカにおいて優秀な開発チームを持ち、システム開発(ソフトウェア開発)、ネットワーク構築、販売・商品・顧客管理、ホームページ作成、データエントリーシステム、各種システム導入支援など、お客様にとって最適なITを用いた解決策をご提案することができます。

サテライトオフィスとシェアオフィスの違い

連日、テレビやネットニュースなどで『働き方改革』という言葉が報じられ、大多数の企業が自社のビジネスモデルに沿った改革を進めている最中です。

その一環としてみずほフィナンシャルグループ(FG)では、希望する社員のみを対象として『週休3日制』、もしくは『週休4日制』の導入を2020年12月から検討をしていることを明らかにしました。

『働き方改革』の根幹となるものは、労働生産性を高めることであったり、多種多様な働き方を促すことです。

その点で、みずほファイナンシャルグループの取り組みには注目が集まっています。

一方、多種多様な働き方を実現するために、オフィスそのものの所在地を変えてしまうという試みもあります。

これをサテライトオフィスと言います。

 

サテライトオフィスは、ある企業の本社や、その本拠地から離れた場所に設置されたオフィスのことです。

新型コロナウイルスの影響を受け、企業オフィスに多くの人が集まり、業務を遂行するスタイルは今後難しくなります。

アフターコロナの観点においても、自社オフィスを離れた場所に増やすことで、いわゆる『三密』を避けられるサテライトオフィスは企業が導入していくべき改革の1つとなっています。

自社に在宅勤務制度があれば、サテライトオフィスは不要なのではないか?と思われるかもしれませんが、現在では在宅勤務を導入している企業の約90%以上がサテライトオフィスが必要であると回答しています。

在宅勤務のみでは、ネット環境・ITシステム環境・セキュリティー…といった面で。本社のオフィス設備よりも劣ってしまう事が少なくありません。

また、子供や家族、ペットがいる自宅の環境では、営業の電話やWEB会議といったビジネスワークもしにくい…といった声もあるのが現状です。

サテライトオフィスではあれば、上記のような問題が改善され、通常業務と変わらない作業が可能です

プライバシー情報・機密情報を取り扱う企業がほとんどですから、きちんとセキュリティーの整ったサテライトオフィスを利用する事で、社外への信頼も得ることが出来ます。

 

また、昨今ではビジネスとプライベートを問わず、『シェア』という概念が幅広く普及しています。そんな中登場したのがシェアオフィスです。

シェアオフィスは、企業や個人がオフィス空間やそれに付随する設備をシェアするという考えの貸し出し型オフィスのことです。

働き方改革や、新型コロナウイルスの影響による対策が必要となった結果、自社のニーズに沿うシェアオフィスの選択の必要性が高まっています。

サテライトオフィスと比べて、『オフィス』を『シェア』するシェアオフィスでは、人脈の拡大・共有空間を自由に使用できる・低コストでの利用・好立地…などと言ったメリットが挙げられます。

反対に、共有ブースでは周囲の話し声が耳に入り集中できない・セキュリティの脆弱さ・無線LANの回線速度が遅い…といったようなデメリットも存在します。

企業の主幹業務の種類によって、向き不向きがあるので企業ニーズに合った選択が必要となります。

千葉県内でも、様々なレンタルオフィスやバーチャルオフィスが登場しています。

(参考 千葉県のレンタルオフィス・バーチャルオフィス【2020年版】)

また、行政でも令和元年に先立ってサテライトオフィスの試行を行っています。

(参考 職員の在宅勤務及びサテライトオフィス勤務の試行について(令和元年度))

 現在、働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中で、オフィスにこだわらない働き方が浸透していっています。

 アフターコロナの世界では、企業の従業員の働き方はさらに多様化すると考えられます。

※千葉県八千代市に本社を置くサンファームネットは、スリランカにおいて優秀な開発チームを持ち、システム開発(ソフトウェア開発)、ネットワーク構築、販売・商品・顧客管理、ホームページ作成、データエントリーシステム、各種システム導入支援など、お客様にとって最適なITを用いた解決策をご提案することができます。

二段階認証と二要素認証の違い

Calculator and alarm clock on money concept for time is money or tax and savings deadline

情報セキュリティインシデントと言うと、情報漏洩やシステムの稼働停止などが挙げられます。

ITを業務や作業に取り入れることで、それに対する情報セキュリティ対策は避ける事はできず、これらはどのような企業や団体であったとしても生じうるリスクとして運営側の課題となっています。

その中で取り上げられるのが、二要素認証と二段階認証です。

 

まずは認証の方式ですが、こちらは主に3種類あります。

①知識認証

⇒本人のみが知りうる情報で認証を行う。

(例 パスワードやマトリクス(注1)、秘密の質問と答え…など)

②所有物認証

⇒本人のみが所持しているもので認証を行う。

(例 キャッシュカード、アクセスキー、ICカード…など)

③生体認証

⇒本人が有する、身体的・生物的特徴で認証を行う。

(例 目の虹彩、静脈、指紋、顔…など)

※注1 主に使い捨てパスワードの事を示す。予め所持しているカードなどに記載のある、文字や数値の場所とその組み合わせを利用して認証します。

二要素認証とは、従来の『知識認証』のみ『生体認証』のみといった単一の認証要素だけではなく、『知識認証+生体認証』『所有物認証+生体認証』…といったように、上記の認証要素の内、二種類の認証要素を組み合わせて認証を行うことを言います。

二要素認証を用いることによってより安全な認証が行われることになり、仮にパスワードなどの漏洩があったとしてもそれ単体では不正アクセスができない事になります。

例えば銀行のATMなどが身近な例です。ATMでは、キャッシュカードと暗証番号が求められますが、これは『知識認証+所有物認証』の二要素認証になります。

また、ネットバンクなどではIDとパスワードの他、スマートフォンのアプリ等に表示されるワンタイムパスワードを必要とする場合があります。

これも『知識認証+所有物認証』の二要素認証になります。

利用者側からすると、手元に認証用のキャッシュカードやスマートフォンがなければ認証できないので利便性は悪くなりますが、強固なセキュリティを実現する事ができます。

 

二段階認証は、二要素認証と同じく従来の単一認証の弱点を補い、認証を強化するために生まれました。

本人確認に、2回の認証が求められます。

通常は、1回目の認証においてIDとパスワードで認証しますが、2回目は

・昔飼っていたペットの名前は?といった質問の答えをあらかじめ設定しておき、認証時にその質問に答える。

・メールやSMS(ショートメール)で送付される認証コードを入力。

・指紋認証

といった認証方法が求められます。

二段階認証は、その認証過程が2段階存在することを言うので、異なった二種類の認証要素を組み合わせたもののみとは限らないのです。

千葉県の県立学校でも、第三者にPCが利用されることを防ぐ事を目的として、PCの電源を立ち上げの際、パスワード認証と手のひらの静脈認証による二要素認証を配備しています。

(参考 県立学校すべての教員に校務用PCを配備 パスワードと静脈認証で二要素認証【千葉県】) 

また、電子決済サービスを悪用した預金の不正引き出しが最近話題となりましたが、千葉県内の2行も2段階認証を導入済みなようです。

(参考 地銀、安全対策4割のみ なりすまし阻止へ不備鮮明 2段階認証、千葉県内2行は導入済み)

 

 

※千葉県八千代市に本社を置くサンファームネットは、スリランカにおいて優秀な開発チームを持ち、システム開発(ソフトウェア開発)、ネットワーク構築、販売・商品・顧客管理、ホームページ作成、データエントリーシステム、各種システム導入支援など、お客様にとって最適なITを用いた解決策をご提案することができます。