AI(人工知能)について

AIは大量のデータから「モノ」を「判断」するシステムのことを言います。
AIの研究は「推論」「学習」するの二つの分野に分かれています。

『推論』は、『知識を元に、新しい結論を導き出すこと』です。

例えば、グーグルのディープマインドによって発展した囲碁プログラであるアルファ碁は、2016年3月に囲碁界のトップである李九段との5回勝負を行いました。

その結果、アルファ碁は5戦4勝1敗で勝利。
何と囲碁界のプロ棋士に勝ち越してしまったのです。

富士通が開発をしていた将棋プログラムであるプエラ・アルファ(旧ボンクラーズ)は、2012年1月に日本将棋連盟の会長(当時)である米長氏と対戦し、勝利を収めました。

2019年では第29回世界コンピュータ将棋選手権が川崎市「川崎市産業振興会館」で、5月3日~5日の3日間行われ、「やねうら王」が優勝しました。

決勝最終戦では、『やねうら王』が勝つか引き分けるかで優勝だったため、AIのプログラムを「千日手」になりやすいものに変更しました。

推論は『知識を元に、新しい結論を導き出すこと』と書きましたが
推論を行うことで、手順を全部指示しなくても、「やねうら王」のように
知識の部分をいろいろと変えることで目標を達成するための手順を導き出せることが重要な事です。

「学習」は継続して取得した情報をもとに、組み合わせを考え、提案を行うものです。

例えば、最近は食料品も充実してきたドラッグストア。
このドラッグストアには人工知能が搭載されたレジが設置されています。

このレジでは、お客さんがどのような商品を購入したかを記録することができます。

学習は「継続して取得した情報をもとに、組み合わせを考え、提案を行うもの」
と書きましたが、お客さんの買い物の内容がこの情報にあたります。

例えばAさん。

Aさんはおにぎりとお茶を購入しました。

情報が入手できたので、人工知能を搭載したレジは「未来に使えそうな知識」を見つけようとしました。
しかし、情報不足で見つけることが出来なかったので、もう少し情報の収集を行います。

すると、二人目のお客さんであるBさんが来店しました。
このお客さんはお茶と雑誌を買っていきました。

同じように三人目のお客さんであるCさんは、パンと牛乳、四人目のお客さんであるDさんはおにぎり、お茶、アメを買っていきました。

四人目までのお客さんの買い物の内容をまとめると

Aさん⇒おにぎりとお茶
Bさん⇒お茶と雑誌
Cさん⇒パンと牛乳
Dさん⇒おにぎり、お茶、アメ

と、なります。

するとAさんとDさんはおにぎりを買っていますが、一緒にお茶も買っています。

このことから

『おにぎりを買ったお客さんはお茶も一緒に買う』
…かもしれない。ということが分かります。これは未来に使えそうな事象です。

例えば、おにぎりとお茶の売り場を近くに陳列しておくともっとお茶が売れるかもしれません。

つまり、人工知能を搭載したレジは、お客さんの買い物という情報から未来に使えそうな知識を見つけだしたのです。